坐骨神経痛

 坐骨神経は、からだの中で最も長い神経で、いろいろの部位で機械的な圧迫や炎症を受けやすく、神経痛を起こしやすいものです。坐骨神経痛は、肋間神経痛の場合と同様に本態的なものはまれで、何らかの原因が確かめられるものが多いものです。

 腰や殿部のどこかが痛むと、すぐ坐骨神経痛だという場合がありますが、坐骨神経痛には症状に一定の特徴があるのですから、やたらに乱用すべきではありません。

● 原因
 原因にはいろいろなものがありますが、なかでも最も多いのは椎間板ヘルニアで、原因の約80%を占めています。脊椎変形症、カリエス、骨盤、脊髄、髄膜の病気などで、坐骨神経が圧迫されたり、炎症がみられたりすると坐骨神経痛が起こります。

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 坐骨神経鞘を包む筋膜や筋肉の炎症なども原因となります。打撲や異常な体位で急激な運動をして坐骨神経に障害を起こすことも神経痛の原因となります。

 また、糖尿病や動脈硬化、梅毒、中毒、炎症などさまざまな原因があります。肛門周囲の病気や股関節、腰仙関節の炎症などが坐骨神経の領域に痛みを投射することもあります。したがって、これらのさまざまの病気を鑑別するために各種の検査が必要となります。

● 症状
 痛みは、おもにお尻から下肢の後面に沿ってみられますが、大腿部、下腿部になるほど強いことが多いのです。痛みが激しいときには、立つことも歩くこともできないのですが、下肢がまひしているわけではありません。

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 痛みのため下肢を曲げていることが多く、伸ばすと痛みが強くなります。下肢をのばしたまま股関節を屈曲させると大腿後面にはげしい痛みが起こります。これはラゼーク兆候といわれ診断上重要です。

 せき、くしゃみ、いきみ、排便などで痛みが増強します。坐骨神経痛では、立った場合、悪い方の下肢に重みを加えないため、脊柱の側弯の骨盤の傾きがみられることがあります。