胆道がん

 胆道は、肝臓で作られた胆汁を十二指腸へ輸送するパイプの役目をしています。つまり、肝門を出た左右の肝管は結合して総肝管となり、これに胆汁を蓄えて濃縮させる働きをする胆嚢が胆嚢管を持って連なり、総胆管となって十二指腸乳頭に開口しています。この胆道に発生するがんが胆道がんです。

 胆道がんには、肝管、総肝管、胆嚢、総胆管、十二指腸乳頭に発生したがんがすべて含まれますが、発生頻度を見ると胆嚢にできるがんが最も多く、約50%を占めています。胆道がんの男女別発生頻度は、男性のほうがわずかに多いのですが、胆嚢がんだけは女性に多くなっています。

 ● 胆石との関係
 胆嚢がんに胆石を合併する頻度のきわめて多いこてはよく知られています。そのために胆嚢がんの発生と胆石との間には密接な関係があると考えられています。

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 そこで、胆石のある人が最初に胆石を発見された時、ただちに胆嚢を取り除いてしまえば、胆嚢がんの発生の危険も減少するだろうと考える医師も多くいるようです。

 しかし、一方には胆石を胆嚢がんの原因として重視することに反対の立場をとる医師も少なくないようです。その理由としては、胆石症患者からがんが発生する頻度はきわめて低く、また胆石を合併しない胆嚢がんの発生することが比較的多いからです。

 いずれにしても、胆石は単独で胆嚢がんをひき起こすことはないと考えられます。多くの因子、たとえば慢性の機械的刺激、感染、コレステロールや胆汁酸の代謝異常、胆汁のうっ滞、個体の感受性、外来の因子などが働き、胆嚢に高度の慢性炎症が長期間続くことによって、悪性変化が起こされるものと思われています。

 ● 症状
 胆嚢がん自体による症状は、ごく早期の、根治手術の可能な時期にはあらわれません。この時期にみられる症状は、合併する慢性胆嚢炎や胆石症に基づくものです。

 したがって早期に手術したという例は、胆嚢炎や胆石症の診断で摘出された胆嚢を切開して、初めて肉眼で腫瘍が発見されたり、また病理組織検査によりがんであることが確認されたもののようです。

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 臨床的に黄だん、右上腹部のしこり、肝臓のはれ、復水などが認められて、胆嚢がんの診断がついた時には、すでに手遅れのことが多くなっているようです。したがって、50歳以上のがん年齢の人では、積極的に胆嚢撮影検査を受けて、無症状の胆石や慢性胆嚢炎の発見に努め、これらの病気のある人は、定期的に検査を受けて経過を観察していくことが必要です。

 肝管、総胆管、乳頭部にできるがんでは、比較的早期に黄だんがあらわれます。胆道が閉塞されて起こる黄だんの原因には、がん以外に胆石症や総胆管結石などがありますが、50歳以上の人ではまずがんを考え、積極的に開腹手術を受けるべきです。