すい臓がん

 すい臓は腹腔の後壁に接して横に走る細長い臓器で、頭部、体部、尾部の三部に分けられます。このすい臓に発生するするがんがすい臓がんです。

 すい臓がんはすい臓の腫瘍のうちで最も多くみられますが、その75%がすい頭部に、残りの25%が体尾部に発生します。全消化器がんの中でも5位ないし6位を占め、決してまれな病気ではありません。年齢的には60歳前後、性別ではやや男性に多くみられます。

 すい臓がんは、消化器がんの中でも最も悪性で、手術をしても完全になおる人はきわめて少数です。その理由はいろいろありますが、第一にはすい臓がんは解剖学的な特殊性から容易に門脈に波及し、血流にのって肝臓に転移する傾向があり、また周囲の重要な臓器に連続的に広がりやすいこと、第二に、すい臓がんには特徴的な症状が乏しく、また胃や腸のように造影剤を用いたX線検査や内視鏡検査で、直接その形態を調べることができないために早期の発見がきわめてむずかしいことです。

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● 症状
 すい頭部のがんとすい体尾部のがんは、同じすい臓がんでも、あらわれる症状が違います。

 すい頭部がんの症状
 早期に総胆管に波及して、これを閉塞するために、ひどい黄だんがあらわれます。この黄だんは、激しい痛みを伴うことはなく、常に進行性で、その経過中に軽くなることはありません。

 同時に、大きくなった胆嚢を右上腹部(右李肋部)に無痛性のしこりとして触れるようになります。黄だんのあらわれる数ヶ月前から全身のだるさ、食欲減退、上腹部の不快感や鈍痛などが見られますが、他の胃腸の病気との区別は困難です。

 すい体尾部がんの症状
 おもな症状は、夜間に増強する上腹部の持続性の痛みで、左の肩や背中に放散します。心窩部(みぞおちの部分)や左上腹部(左李肋部)にかたいしこりを触れますが、圧痛はひどくありません。黄だんは末期になってはじめてあらわれます。

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