脊髄腫瘍

 脊髄や脊椎管の中に腫瘍のできる病気を脊髄腫瘍といいます。一般には、脊髄の組織の中に発生した腫瘍だけでなく、脊髄を包む硬膜の内や外にできた腫瘍全部を脊髄腫瘍と呼んでいます。

 脊髄腫瘍はその発生する場所によって特色があり、脊髄組織の中に発生するものは経過はよくありませんが、硬膜内脊髄組織外にできる腫瘍は良性で手術で取り除くとなおります。

 また硬膜の外にできる腫瘍は他の臓器からの転移がんなどで、悪性のものが多くなっています。しかし全体としては、60~65%は良性のものです。年齢的には40歳代に最も多くみられますが、そのほかの年代にも決して少なくはありません。男女差は見られません。

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 ★ 症状
 脊髄は、頸部から腰部の下方まで及んでいるので、腫瘍の発生した場所によってあらわれる症状に特色があります。しかし一般的な症状としては、からだの両側の知覚障害、運動障害、排尿障害、排便障害などがあらわれます。

 ● 一般的な症状
 硬膜内で、脊髄を外から圧迫するような形の腫瘍の場合では、最初に痛みやピリピリするような感じを訴え、次いで近く鈍麻、筋まひなどが起こります。さらに進むと排尿障害や、ときに排便障害なども加わります。脊髄組織の中に生じた腫瘍の場合は、筋力の低下、筋委縮、知覚鈍麻などがあらわれます。

 ● 発生部位による症状
 頸部脊髄の最上端にできた腫瘍の場合は、後頭下部の痛み、しびれ、後頭部の頭痛、えん下困難、声のかすれ、舌の委縮などをはじめ運動障害、脳圧の亢進などが起こり、脳腫瘍と間違われることがあります。

 頚部の上部にできた腫瘍の場合は、首の筋肉の委縮、首から顔にかけての知覚まひなどがみられます。頚部の中央部以下にできた腫瘍の場合は、肩から上肢にかけて筋力が低下するとともに、筋委縮や知覚障害があらわれます。

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 胸部脊髄にできた腫瘍の場合では、胸部あるいは上腹部に知覚鈍麻が起こってきます。

 腰部脊髄の腫瘍では、下腹部あるいは腰部に知覚鈍麻や筋力低下があらわれ、下肢にも筋力の低下が起こります。さらに腰部より下部の脊髄の腫瘍では、腰から下肢にかけての痛みで始まることが多く、神経痛と間違われたりします。また尿が出にくくなり、下肢の筋力低下、まひ、知覚鈍麻があらわれます