脳腫瘍

 脳腫瘍は、頭蓋内に腫瘍のできる病気です。決してまれな病気ではなく、1年に2,000~4,000例ぐらいの脳腫瘍の手術が行われています。

 脳は、神経細胞と膠細胞の二種類の細胞で構成されていますが、脳腫瘍はこの膠細胞から生ずるものが多く、脳腫瘍全体の40~45%を占め、神経細胞から生ずるものはきわめてまれです。

 残りの50%以上は、脳膜、下垂体、あるいは脳から出る神経などから生ずるもの、また、先天性のもの、血管性のものなどです。

 全体としてその種類は多く、良性もものから悪性のものまで20種類ぐらいあります。

 発病年齢は、腫瘍の種類によって特色があり、小児だけにみられるもの、反対に成人だけにみられるものなどがあります。全体としては、40~50歳に最高のピークがあり、高齢になるにしたがって減少し、80歳代ではほとんど見られません。年少者では10歳以下と15歳ぐらいにピークがあります。したがって脳腫瘍はいかなる年齢層にもみられることになります。

 性別では、男性に多いという特殊なものもありますが、全体としては、男女の差はありません。

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 ★ 症状
  頭痛
 最も多い症状で、脳腫瘍全体の約90%にみられます。この頭痛には軽いものから一時的なもの、持続的なもの、あるいは発作的なものなどいろいろありますが、ことに頑固な頭痛に、吐き気、嘔吐を伴うものにはじゅうぶん注意が必要です。

 頭痛を訴える場所おは必ずしも腫瘍のある場所と一致せず、頭全体に訴えるもの、目の奥のほうに訴えるもの、前頭部、あるいは後頭から頚部や側頭部に訴えるものなどいろいろです。

  吐き気と嘔吐
 頭痛に関連して起こることが多く、だいたい頭痛が起こると同時に吐き気が起こり、それが激しくなると嘔吐をおこすという場合が多いものです。しかし、小児では吐き気がなくいきなり嘔吐する場合があります。

 小児の場合は、訴えがはっきりしないので、嘔吐があるとすぐに胃の病気を考えがちですが、脳腫瘍の可能性のあることも常に考えておかなければなりません。特に朝起きて、いきなり激しい嘔吐をし(頭痛を伴う場合と、伴わない場合がある)、あとはけろりとして食事を取るなどは、脳腫瘍の可能性が非常に高いものです。

  目の症状
 目がかすむ、ものが二重に見える、視野の両側が欠けて真ん中しか見えない、視野の右側、あるいは左側が欠けて片側しか見えないなどの症状があらわれます。また眼球の動きが悪くなるとか、眼球が速いリズムで自発的に左右、ときには上下に動くこともあります。

 特に目の症状で注意しなければならないのは、視力が著しく低下した後では、せっかくの手術が成功しても、必ずしも視力が回復せず、またまれにそれを契機にして失明することもあるので、早期に専門医に診断してもらうことが大切です。

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  片まひ
 脳卒中などによらない、徐々に進行してくる片まひも注意を要する症状です。この症状は、腕あるいは脚から始まり、進行してくるとともに顔面にまで及ぶことが多いものです。まひは?幹に近いほうが軽く、末端に行くほど重くなるのがふつうです。

 たとえば、腕の場合では、肩やひじは比較的動かせるが、手の関節や指がうまく動かせなくなったり、脚の場合では、股関節や膝関節の運動は比較的良くできるのに、足関節やかかとの動きが悪くなったりします。

  運動の傷害
 歩行が不安定でよろけ、手の運動調節がうまくできなくなり、字がよく書けなかったり、ふるえたり物をつかむとき同様したり、ふるえたりします。また会話がスムーズにいかなくなり、腕や脚の筋肉が柔らかくなるなどの症状は、小脳の腫瘍の場合に起こります。

  聴力障害とめまい
 耳の障害によらない片耳の難聴、耳鳴り、片側顔面のまひ、感覚のにぶり、めまいなどは聴神経にできた腫瘍の特色です。