脳卒中

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 脳卒中はむかしから中気または中風とよばれて来ましたが、それは脳血管がおかされて、そのため脳の循環が障害され、意識障害や運動障害などの精神・神経症状をあらわした状態をいうのです。脳の血管のおかされ方によって、脳出血(脳の血管が破れる)、脳梗塞(脳の血管がつまる)などの病名がつけられています。

 したがって大まかにいえば、脳卒中というのは、基盤に先天性脳血管の奇形、年をとることに伴う動脈硬化あるいは体の他部、すなわち心臓血管領域に病変があるところへ血圧の異常がからみ合って、脳循環障害をきたした病態といえます。

 こう考えると、脳血管障害の多くの種類が脳卒中ということになりますが、中でも重要なのは、頭蓋内出血と脳梗塞ということになります。

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 脳卒中の種類
 頭蓋内出血
 頭蓋骨内の出血のことで、高血圧性脳内出血と、クモ膜下出血がおもなものです。

 高血圧性脳内出血(脳出血、脳溢血)
 年をとるとともに動脈硬化が進行し、そのため脳血管は緊張性を失って弱くなります。これに高血圧が加わると、弱った血管が破れ、血液が脳組織の中に侵入して脳の機能を破壊します。このような状態を脳出血あるいは脳溢血といいます。多くの場合、高血圧をともなうため、正確には高血圧性脳内出血といいます。

 脳血栓が血圧の低い夜間、あるいは夏におこるのに反し、脳出血は血圧の高い昼間の活動時、あるいは冬におこりやすいものです。

 クモ膜下出血
 脳は硬脳膜、クモ膜、軟脳膜という三層の膜(髄膜、脳膜)で包まれています。この病気は、脳を直接に取り巻いている軟脳膜とクモ膜との間に出血がおこり(動脈りゅうや血管腫などの先天性血管異常の破たんによる)、髄膜(脳膜のこと)を刺激して、激しい頭痛や吐き気を起こします。出血が脳実質を圧迫するときは意識不明になったりします。

 このような症状は、一見、髄膜炎のようですが、半身不随もあらわれたりしますので、脳出血のようにも見えます。しかし、髄膜炎と違うのは液を採取すると血が混じっていることです。髄液(脳脊髄液)は、クモ膜下腔から脊髄内腔にわたって満ちている液で、正常では水様透明のものです。

 したがって、髄液の採取検査によって、出血が主としてクモ膜下腔にあることが確認されることになるのです。脳出血は、出血が主として脳実質(脳みそ)の中に起きるので、髄液は血性であってもそれほど強くはありません。

 脳梗塞(脳軟化症)
 脳の血管が詰まって、それから先の組織がダメになった状態をいい、これには二つの種類があります。

 脳血栓
 脳の動脈硬化が進行すると血管が狭くなり、血液がじゅうぶんに流れにくくなって、それから先の脳組織に栄養が送れなくなります。

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 こうなった状態を脳血栓といいますが、いわば脳動脈硬化症の終着駅ともいうべき病態です。したがって、発作の起こるずっと以前から、脳動脈硬化症状があります。

 脳塞栓
 この病気は必ずしも脳の血管に異常があって起こるというものではなく、からだの他の部位、たとえば心臓に弁膜症などがあったり、あるいは不整脈などがあって、組織片や血のかたまりができてそれが脳にまで達し、脳血管につまるため、それから先の血管に血液が通わなくなって、脳の組織が障害されるのです。

 したがって、今まで脳に関しては全く何も訴えのなかった人が、突然、脳卒中症状を起こすのが、この病気の特徴です。