網膜剥離

 網膜は顕微鏡で見ると10層で構成されていて、その最下層の色素上皮層が脈絡膜側に残り、あとの層が硝子体側にはがれてしまう病気です。この部分は、単に密接しているだけの構成になっていますから、網膜自体の病変、脈絡膜や硝子体の病変、外傷などで裂け目が生ずると、たやすくはがれてしまいます。

 この病気は、剥離を起こす原因により二種類に区別されます。一つは、網膜自身の病変で起こる突発性網膜剥離、他の一つは、硝子体側、または脈絡膜側からの病変などで起こる持続性網膜剥離です。

● 突発性網膜剥離
 自発性網膜剥離ともいい、網膜に裂け目(裂孔)ができて、硝子体液がその裂け目から網膜下に入り込むことによって起こります。この裂け目は、近視とか老人性変化(網膜嚢状変性)などがもとで起こります。

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 剥離は両眼に起こることもありますが、多くは片方だけにみられます。しかし詳しく調べると片方の目にも軽い変化がみつかることもまれではありません。

 30~40歳に多く、女性に比べ男性に多くみられます。誘因としては、眼球自身の急激な運動、強いからだの振動、眼部の打撲、肉体的過労などがあげられます。

● 症状
 突然、視野の一部が覆い隠されたように、また黒いカーテンが目の前に垂れ下がってきたような感じがします。時には、それより以前に、白い髪の毛のようなものや、光った球状のものが飛び散るといった症状(飛蚊症)を訴えたり、ものの形がゆがんで見えたり、波打って見えたりすることがあります。同時に視力の低下も起こってきます。

 安静を保つことにより、剥離はある程度おさまるので、朝、目が覚めると、前述の症状は軽減されて感じることもあります。眼球上方に起こることが多いものですが、多くは下方に移動し、徐々に全周へと広がっていきます。

 自然になおることはまれで、放置しておけば、しだいに剥離の範囲が拡大して全周に及び、ついには水晶体の後ろの方に全剥離した灰色の網膜が認められるようになります。さらに全剥離が長期に続くと、硝子体が混濁し、水晶体の栄養も障害されてきて白内障があらわれてきます。
 
 発病後、短期間のうちに手術を行ったものほど、その後の見通しは明るいとされていますが、なかには再発がみられるものもあります。

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● 持続性網膜剥離
 この病気には、硝子体の変化による剥離、眼球内の腫瘍による剥離、外傷による剥離、網膜脈絡膜の病変に伴って起こる剥離などがあります。自覚症状は、突発性網膜剥離とほとんど同じです。

 治療は、硝子体の変化と外傷による剥離では、突発性の場合と同じ治療法が行われます。眼球内の腫瘍によるものには、眼球摘出が行われます。網膜脈絡膜の病変による剥離では、原因となる病気に対する治療がまず行われます。