目の働き

 私たちは、ものの形を見分け、色がわかり、明るさを弁別することができます。これらの三つの感覚をそれぞれ形態覚(視力、視野を含む)、色覚、光覚と呼び、目の持っている最も重要な働きです。

 目にはこの三つの基本的な感覚のほかに、両方の目が外界の刺激から受ける印象を合致させて立体視する両眼視機能や調節などをいろいろな働きがあって、「見る」働きをさらに巧妙な完全なものにしています。これらの働きは、光線、眼球、視神経、脳など、一連の働きによっています。

 形態覚
 ものの形を見分ける目の働きで、明順応(明るいところに目がなれる能力)、視力(物体の存在や形状を認識する能力)、視野(眼を動かさないで見ることのできる範囲)などに分けられます。

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 色覚
 色を識別する目の能力をいいます。この色覚が全くない場合を全色盲、色覚のすべてが減弱しているものを全色弱、赤と緑の色覚が異常なものを赤緑色覚異常といいます。

 光覚
 光を感ずる目の能力を光覚と言います。明順応と暗順応(暗いところに目がなれる能力)とがあり、光覚の障害には、夜盲や昼盲(明るいところでの視力が暗いところでの視力よりもかえって弱いもの)などがあります。

 両眼視
 両方の目のおのおのが、外界の刺激によって受ける印象を合致させる能力を両眼視機能といい、外界にある物体が、遠くにあるか近くにあるかを判断し、外界を立体的に見ることができる立体視、両岸の注視線が、注視物体に集まる輻輳、反対に、両眼の注視線を外側に分散させる開散、両眼を同時に使って物を見る時、左右の網膜像を一致させ、ひとつの両眼映像とする融像などがあります。

 目の調節
 毛様体の中にある毛様体筋が収縮して、チン小帯(水晶体小帯)がゆるみ、その結果、水晶体がじぶんの弾力性でその厚さを増し、眼球の屈折力を高める働きが目の調節です。
 
 したがって調節機能は、毛様体筋の働きと水晶体の弾力性とに関係します。そのために、毛様体筋がまひしたときや、水晶体がその弾力性を失ったときは、調整が行われません。調節機能が全く働いていないときの目の屈折状態から正視、近視、遠視、乱視の四つに分けられます。

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 これらの目の屈折状態を決める要素には、角膜、房水、水晶体、硝子体の屈折力、水晶体の位置及び眼球の長さ(眼軸長)などがあります。このうち最も重要なのは、角膜の屈折力、水晶体の屈折力と位置、眼軸長の三つです。

 この三つの相互関係によって、正視、近視、遠視の別ができ、角膜のゆがみによって、乱視が起こるのです。目の屈折状態は一生を通じて不変ではなく、赤ん坊の目は大多数が遠視ですが、成長するにつれて近視の方に傾きます。成人になると、約半数が近視になっています。さらに老人になると、調節力が減退すると同時に老人遠視が多くなります。