慢性中耳炎

 慢性中耳炎の多くは、小学校に入る前から起こっています。したがって、その原因は必ずしも良く分かっていませんが、乳幼児のころの風邪が原因と考えられます。

 たとえば、ブドウ球菌のような、死滅しにくい菌が幼児のころから鼻咽腔から耳管を通って耳に入り、中耳炎を起こし、そのまま慢性になったのではないかと考えられることが多いのです。

 いずれにしても、その始まりは幼児時代に起こることがきわめて多く、このような患者には鼻咽腔や耳管にも、必ず炎症が見られるということが特徴です。

 慢性中耳炎でも、習慣性に時々うみの出るごく普通のものでは、風邪などで、鼻咽腔や耳管の炎症がひどくなると再発してうみが出てきます。

 これとは別に、乳様突起の骨の中がおかされた真珠腫性中耳炎では、うみが骨の中から出てくるために、耳だれが止まることはありませんが、同じ真珠腫性中耳炎でもうみの多いものと、きわめて少ないものとがあります。この中耳炎の原因もまだよく分かっていません。

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● 症状
 慢性中耳炎の症状の特徴は昔から、難聴、耳だれ、鼓膜穿孔の三つがあります。長く耳だれが続くか、あるいは、風邪をひくたびに耳だれが出るというのが症状ですが、大部分の患者は、学校検診で発見されるか、または難聴を訴えて病院を訪れます。

 耳だれの状態から慢性中耳炎の性質の善し悪しが分かります。かぜのたびに出る耳だれは、鼻汁と同じような粘膜膿性で、出たり止まったりするものもあれば、止まらないものもありますが、これがふつうの慢性中耳炎です。

 これに対して一般に量が少なくても、いつまでも止まらないで出続けるものは、骨の方に病変があることが多く、性質のよくない場合が多いものです。

 ことに、悪臭のあるうみのような耳だれが多量に出て、止まらない場合は、最も性質が悪く、骨がかなり広くおかされている証拠ですから、早目に手術を受ける必要があります。

 この種の耳だれを出す耳の多くは、真珠腫性中耳炎といって、骨の中に真珠腫という白いかたまりが出てきているものです。

 真珠腫性中耳炎の耳だれは膿性のことが多いのですが、ときに、白い豆腐のおからのようなものが、少し混じって出てくることもあります。これは、骨の中にある真珠腫の一部が取れて出てきたものです。

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● 治療
 耳だれが出る場合に、これをきれいにするのはさしつかえありませんが、いくらきれいにしても治療にはあまり役立ちません。つまり、自宅療法はあまり効果がないわけです。

 ことに耳だれを止めようとして、抗生物質やそのほかの薬剤を家庭で服用したりすることは最も危険なことです。

 素人療法でペニシリンなどを飲み続け、ひどくなってから病院に行く人がときどきいます。

 早目に手術をして悪いところを取ってしまえば、手術後の経過もよく、長くとも1~2ヶ月ですむものを、脳膜炎やその他の合併症を起こしてから病院に来られても、手術で生命は取り止められても、半年、もしくはそれ以上の入院をしなければならない場合があります。

 ですから、できるだけ早く専門の医師に診てもらい、その指示に従うべきです。