慢性気管支炎

 気道への強い刺激が長い間続いた後で、気管支に炎症のあらわれる病気です。したがって、急性気管支炎が長引き、その結果、慢性になったというような単純なものではありません。

 50歳以上の年長者、それも喫煙との関係から男性に多い病気です。しかし20歳代から始まる場合もあります。

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● 原因
 慢性気管支炎の発病には、長年にわたって気管支粘膜を刺激するいろいろな外因が存在します。その主なものは次の通りです。

 慢性蓄膿症(慢性副鼻腔炎)
 小さいころから慢性の蓄膿症をもっていた人が起こしやすいものです。

 喫煙
 たばこは肺がんの原因として騒がれていますが、慢性気管支炎や肺気腫症の原因としても重要です。1日20本以上、数十年の喫煙が続くと、有力な原因となります。

 職業上の有害ガス
 化学薬品を取り扱う人、鋳物をつくる人、溶鉱炉で働く人、羊毛や木綿を扱う人、油を使う料理人などが、慢性気管支炎にかかることがあります。

 大気汚染
 炭素などの粉塵のほか、石炭や石油の燃焼によって生じる亜硫酸ガス、各種化学工場の排煙などの中に含まれているいろいろなガス、自動車の排気ガスに含まれる一酸化炭素、窒素酸化物などのよって大気が汚染される場合、呼吸器がおかされます。

 このような大気汚染による慢性の呼吸器障害は、以前日本の各地でみられました。いっぽう急性の呼吸器障害は、四日市ぜんそくと呼ばれるような、気管支ぜんそくの発生頻度が高いようです。しかしこの大気汚染による呼吸器障害には、鼻炎、咽頭炎、喉頭炎などの上気道炎もかなり多く含まれています。

● 症状と経過
 特徴的な症状は、長期間にわたるせきとたんです。そしてこの症状は寒い季節に起こりやすく、寒さを契機として、細菌感染を起こして発熱し、せきや膿性のたんが増えます。このような冬の気道内感染の再発を繰り返すことによって、病気は悪化し、進展するのです。

 たんは、初期には粘液性のものが多いのですが、長く続いているうちに、黄色いうみのようなたんが出るようになります。蓄膿症が原因となっている場合は、たんは膿性で1年じゅう続くことが多く、喫煙がおもな原因の場合は、むしろたんの少ないせきで始まることが少なくないようです。

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 血たんや喀血は、気管支拡張症に比べて少ないようです。

 慢性気管支炎は、肺気腫症や、慢性鼻慢性汎細気管支炎に合併することがあり、肺線維症や肺性心に進展することがあります。階段を上がったり、重いものを持って歩いたりした時に息切れが起こり、動悸が加わってきます。

● 予防
 慢性気管支炎は、長引くと治療もむずかしく、再発を繰り返して、続発性気管支拡張症や肺気腫症などの難治の肺の病気を起こします。このため、早期に発見して、早く治療を受けることがぜひとも必要です。

 それには慢性気管支炎の原因になっているいろいろの因子を取り除かなければなりません。たとえば、慢性蓄膿症は、発病した若い時に徹底的に治療しておくことです。

 喫煙は直ちにやめるべきで、節煙程度では意味がありません。職業上、有害ガスを扱うことが原因で慢性気管炎にかかりやすい場所は、職業転換で予防します。

 しかし大気汚染の強い地域に住む人は、転居意外に予防策はありません。インフルエンザワクチンの予防接種も積極的に受けておきましょう。