脊髄空洞症

 これは先天性の原因で、脊髄または延髄に空洞ができる病気です。

 ● 空洞の特徴
 空洞は脊髄、特に頸髄下部から胸髄上部の灰白質に生じますが、これは先天性の発育障害ともみられています。

 この空洞は徐々に大きくなり、中に水のような液がたまります。空洞によって、温度や痛覚線維のみがここを横断するときにおかされますが、触覚の線維はおかされません。

 空洞はまた、同じく灰白質で運動神経細胞をおかし、さらに大きくなると、白質にある下半身へ行く運動、感覚線維を圧迫します。

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 症状
 若年の人に、手や腕の筋肉の委縮、脱力が起こります。感覚の異常は、最もしばしばみられますが、腕や上半身にのみ起こることが多く(体節性感覚低下)、このときに針で刺しても痛みは感じませんし、熱い冷たいという感じもなくなっています。しかし鉛筆や衣服などの触った感じは正常なので、患者自身は感覚の脱室に気づかないことが多いようです。

 手の指に水泡や潰瘍ができてなおりにくく、指先の組織が腐ってしまうこともあります。これは手指に痛覚が最初に失われるので、傷を受けやすいためですが、神経のないことに基づく一種の栄養障害とも考えられています。

 空洞はしだいに大きくなりますが、そのために脊髄白質の他の神経が圧迫されると、下半身の運動障害が起こり、歩行が不自由となり、感覚もおかされてきます。脊柱が後方または側方に曲がることもよくあります。