呼吸器の病気

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 気管、気管支、肺のしくみと働き

 生命活動の一つの単位はからだの細胞ですが、この細胞が活動する上で絶対に欠かせないのが酸素です。

 各種の臓器がそれぞれ固有の働きをし、心臓や手足の筋肉が動き、からだ全体の新陳代謝が行われるためには、血流で絶えず酸素がからだのあらゆる細胞に運ばれ、また、化学反応の結果生じる炭酸ガスが血流によって運び去らなければなりません。

 健康はこうして保たれるわけです。血液の中に酸素を送り込み、不要の炭酸ガスを除去する器官、これが呼吸器で、気管と肺に大別されます。

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● 気道
 外界から体内に酸素を取り込むパイプです。
 鼻、咽頭、喉頭、気管からなり、鼻から喉頭までを上気道といい、気管から下を下気道と呼びます。気道の働きは、外界から空気を取り入れてこれを暖め、湿度を与えることと、異物や刺激物が入ってきた際に、くしゃみやせきでこれを防ぐことです。

 また、ほこりや細菌が入ってくれば、これを気道の粘膜にくっつけて、たんにして口外へ出してしまいます。

● 肺
 気管支、肺胞、血管、リンパ管、胸膜(肋膜)などからできています。

 肺は左右一対になっていて、気管から二本に分かれた気管支が、それぞれ肺にはいり、十数回枝別れを繰り返して、末端の細気管支となり、さらにその先の肺胞という、薄いごく小さな袋状の組織につながっています。

 肺胞の数は約5~7億といわれ、その面積は、70~90平方メートルにもなります。肺は吸い込んだ空気中の酸素と、血液中の炭酸ガスを交換する働きをしていますが、それはこの肺胞の部分で行われているのです。

 左右の肺は、それぞれ肺葉という単位に分かれています。左に二つ、右に三つの肺葉がありますが、左肺の内側に心臓があるので、左肺は右肺よりもやや小さくなっています。肺葉はさらにいくつかの肺区域に分かれていて、最後は前述の肺胞になります。

 肺には、呼吸運動の補助的な機能を果たす、次のような器官があります。

 胸膜(肋膜)
 肺を包んでいる薄い膜で、直接肺を包む肺胸膜と、肺門部で折れ返って胸腔の内側をおおう壁側胸膜の二枚があります。この二枚の胸膜の間を胸膜腔といいます。

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 横隔膜
 胸腔と腹膜の仕切りが横隔膜です。横隔膜は呼吸のたびに上下運動し、その上に乗っかっている肺を伸縮させて呼吸運動を助けます。

 胸郭
 肋骨、脊柱、胸骨などで形づくられています。これらの骨格には、肋間筋や大胸筋などの呼吸補助筋がくっついていて、呼吸運動を助けています。

 縦隔
 左右の肺の仕切りが縦隔です。この中には、気管、食道、肺門リンパ節、胸腺、心臓、大血管などが入っています。

● 肺の血管系
 これには二つの系統があります。

 一つは、ふつうの臓器のように、心臓から出る大動脈から枝分かれして、栄養と酸素を肺に運んで、炭酸ガスやその他の新陳代謝の廃物を除去している気管支動脈と気管支静脈です。

 もう一つは、肺循環(小循環)と呼ばれている独得の血管系です。これは、体循環(大循環)によって心臓に帰ってきた静脈血が、心臓の右心室から肺動脈となって送られてくるものです。名称は動脈ですが、中の血液は、炭酸ガスの多い静脈血です。

 この肺動脈は、左右二本に分かれてそれぞれ左右の肺に肺門部から気管支と並んではいり、気管支の分岐と一緒に枝分かれしながら、毛細血管となって肺胞に至ります。そして、薄い毛細血管の壁と、肺胞の薄い壁を通じて酸素と炭酸ガスの交換を行います。

 炭酸ガスを放出して酸素をもらった血液は、逆に肺門部に向かって合流しながら、肺静脈となって肺門を出、心臓に帰ります。

● 肺のリンパ系
 肺のリンパ系は、肺の表面に近いものは肺胸膜の方へ流れてから肺門部に流れますが、それ以外のものは、直接、肺門部に向かって流れています。

 肺門に集まったリンパ節からさらに気管に沿って、いくつかのリンパ節を通り抜けながら、くびのつけ根の静脈角リンパ節から静脈の中に流れ込んでいます。

 リンパ節は、リンパ液の濾過器の役割もしているので、肺から流れ込む異物や病原菌などをとらえています。

● 呼吸のしくみ
 呼吸をつかさどる中枢神経は、延髄にあります。血液中の炭酸ガスの濃度が上がると、この中枢が刺激されて、神経系を通じて呼吸運動を強化するように命令が出されます。これを受けて、胸郭や横隔膜などの運動が促進され、肺の呼吸数が増えてきます。

 呼吸数は、ふつう1分間に12~24ぐらいですが、意識的に変えることができます。浅い呼吸(胸式の小さな呼吸)をすれば回数が増え、深い呼吸(腹式の大きな呼吸)をすれば回数は減ります。深い呼吸の方がガス交換の能率は高まります。

 呼吸数は、精神的な興奮、運動、発熱、いろいろな呼吸器病などの原因によっても増えます。呼吸数がある程度増えてくると、息切れ(呼吸困難)として自覚されるようになります。

 呼吸数は、一定のリズムで行われますが、重い病気のときや熟睡時には、このリズムが乱れます。