近視の留意点

 近視は、日本では多く、特に強度近視では注意しなければならないことがたくさんあります。

 成長と学校近視
 幼少児から学童期にかけてしだいに近視の度が進んでいき、からだの成長の止まる25~26歳ごろになって進行の止まるものが多く、近視の度も中等度以下のものが多くみられます。

 メガネをかけないと近視の度が進むとか、かけたりかけなかったりすると目に悪いとかいうことがよく聞かれますが、このようなことは近視の進行には関係ありません。

 メガネをかけて日常生活が楽になるようならかけるべきですし、メガネ嫌いの人では、必要な時だけにかければよいわけです。

 小・中学校で仮性近視の治療を受けている子供の中には、視力が出てこないのに、いつまでもその効果を期待している人が多くみられます。

 近視の治療そのものにもいろいろと異論があり、また治療の副作用もありますので、数カ月治療しても、視力が一向に回復せず、しかも両眼の視力が0.6以下になればきっと黒板の字も見にくいでしょうから、早くメガネをかけさせるべきです。

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 この近視の場合、特に留意しなければならない点は、長時間の読書や筆記のときに、たとえば一時間おきぐらいに5分間ほど窓外の景色を眺めて目を休ませるようにしたり、目と本の間を30~40㌢に保つように心がけることが大切です。

 また寝ころんで読書したり、採光の不十分な車中での読書は避けるようにしなければなりません。

 このほか視力検査は、学校での身体検査の際に受けるだけでなく、視力が少しでも低下の傾向が見られたら、すぐに眼科で診てもらうようにしましょう。

 強度近視と中等度近視
 メガネがないと日常生活に不便を感じるようなときは、眼科に行って正確なメガネを処方してもらってかけるようにします。そして1年に1回ぐらいは近視の状態を検査してもらい、メガネの適否を調べるようにします。

 中等度以上の近視で、眼軸に変化をきたしているようなものでは、眼球が後方に拡張し、網膜や脈絡膜が引き延ばされて、いろいろな眼底変化があらわれてきます。

 眼軸がどうして延長するかは不明ですが、しばしば緑内障などが合併することもあります。

 また、眼底の検査をすると、網膜の色素上皮層が引き延ばされて薄くなるために脈絡膜の血管が透けて、眼底がヒョウの皮のように(ヒョウ紋眼底)見えます。

 さらに強度になると白い強膜までも見えるようになり、その部分の網膜はものを見るという機能を失うようになります。

 また脈絡膜が視神経の眼球内進入部から断裂し、委縮して乳頭部のまわりに(多くは乳頭の耳側に)半月状のコーヌス(黒色や灰色ないし黄色のさまざまな形の斑点)が見られます。

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 このほか黄斑部の中心に委縮や出血を起こし、急に視力が落ちることもあります。また眼軸が伸びるために硝子体にも変化があらわれ、混濁や融解などを起こし、明るいところでは小さな蚊やごみが飛んでいるように見える、いわゆる飛蚊症が起こってきます。

 さらに網膜が色素上皮のところではがれて網膜剥離が起こることがあります。したがって網膜剥離の患者には、強度の近視がかなり見られます。

 このような眼底の変化のほかに、強度近視では、眼軸が前後に延長するために軽度の眼球突出がみられ、輻輳(両眼の注視線が注視物体に向かって集まる働き)のアンバランスから外斜視が起こることもあります。

 また最強度の近視では、眼底の広い範囲がおかされるために夜盲を訴えることもあります。

 以上のような強度近視(進行性近視)は、そう多いものではありませんが、このような人で、メガネでは十分な視力が得られず、コンタクトレンズでよい視力が得られることがあります。