重症筋無力症

 重症筋無力症は、筋肉がふつうの人よりも容易に疲れやすいという特徴を持つ病気です。筋肉の委縮ではありません。

 発病の頻度は、人口10万人に対して3人といわれており、年齢は20~30歳代が多く、一般に女性に多くみられます。

 原因
 神経と筋肉の接合部の障害と考えられており、その原因として、自己免疫疾患であるという説が有力で、筋肉と胸腺に異常がみられます。すなわち、筋肉組織にはリンパ球が浸潤し、約半数の例には胸腺の肥大あるいは腫瘍が発見されています。

 症状
 最も多くみられる症状としては、まぶたが下がってくる眼瞼下垂、ものが二つに見える複視があげられます。
 そして、まぶたが下がり、ほほ、口唇筋の運動も、じゅうぶんに行われなくなるなど、顔つきもたいへんに特徴的なものとなり、いわゆる筋無力性顔貌を呈してきます。

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 次いで、食物がうまくかめない咀嚼障害、飲み込みにくくなるえん下障害、さらに言語障害の症状を示すものが多いようです。また、約3分の1の症例に、四肢筋の筋力低下が認められます。

 これらの筋の運動障害は一定しているのではなく、運動を繰り返すと、すぐ疲労し衰弱するという特徴があります。たとえば、咀嚼・えん下障害の場合、続けざまに口いっぱい食べたり、噛んだりすると、しまいには、かたいものは噛むことができなくなり、その上、飲み込むこともできなくなるという状態です。

 話をするときにも、最初の数句、数章までは、きわめて、はっきりと話すことができるのですが、さらに会話をつづけていくと、だんだん言語が不明瞭になり、発音が思うようにいかなくなって、しまいには聞き取れないようになります。

 四肢筋、躯幹筋もまた、おかされて、呼吸困難が加わってきます。

 病気の初期は朝のうちは、比較的に軽い症状で、夕方になると悪化すという特徴があります。

 経過
 軽症の場合は、病気の経過はよいのですが、一時なおったように見えても、感冒、月経、精神的ストレスなどで著しく病状の悪化(クリーゼ)を起こすことに注意すべきです。

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 症状別で言うと、躯幹筋および四肢筋の症状を伴った患者の場合が、病気の経過としては、比較的良いようです。

 外眼筋まひの場合は、効果はなかなかあらわれず、比較的大量の薬が必要です。

 えん下障害や言語障害を見せるような患者、また、呼吸筋のまひを示す場合は、病気の経過はあまりよくありません。さらに、胸腺に腫瘍を伴う患者の場合も、経過は悪いほうです。