縦隔炎

 縦隔に炎症の起こる病気で、急性のものと慢性のものとがあります。慢性の縦隔炎は比較的まれなので、急性の縦隔炎につて記載します。

 最も多いのが、食道の穿孔(穴があくこと)によるものです。穿孔の原因としては、食道および胃の内視鏡検査、異物摘出術、食道狭窄拡張術、食道手術、麻酔時の挿管偶発事故などの医療行為に関する事故によるものがあります。

 そのほか、食道、気管、気管支などの炎症、がん、異物、外傷などによっても穿孔が見られます。頸部の炎症や肺化膿症、膿胸、胸骨骨髄炎などが縦隔へ波及して、急性炎症を起こすこともあります。

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● 症状
 一般に、寒気を伴った熱が出、胸骨の後ろにはげしい疼痛が起こり、その痛みは頸部や背部へ波及します。気管が圧迫されて呼吸が困難になったり、食道が圧迫されて食べ物を飲み下しにくくなったりします。

 また、頭部、上胸部のチアノーゼ、むくみ、結膜充血も起こります。そのほか、嘔吐、しゃっくり、発汗異常など、各種の精神異常もみられます。

 しかし、これらの症状のすべてが急激に起こってくることは少なく、初期症状は、比較的温和に進むのがふつうです。そのため早期診断が困難になります。

 したがって、発熱、呼吸困難などの肺炎症状に加えて、胸骨下痛、胸部痛などがあらわれたら、すぐに病院へ行き診断を受けることを勧めます。