胃がんの診断と治療

 もしも胃がんの疑いがある場合には、一般にX線検査、胃内視鏡検査、胃細胞診の三つの検査を併用します。これらの検査は胃がんの診断、ことに早期発見には最も有力な方法です。胃液検査やふん便検査も行われていますが、これらの方法は一応の見当をつけるだけで、胃がんの早期はあまり役立ちません。

 X線検査
 胃がんを発見するだけでなく、切除手術が可能かどうかを決定するのに役立つものです。

 内視鏡検査
 直接胃粘膜のがんによる変化を発見する方法で、胃カメラ検査が最も広く用いられていますが、胃鏡検査もファイバースコープの進歩によって普及しています。

 胃細胞診
 胃壁をゴム袋でこすってその表面に付いている細胞を洗い落とすか、胃壁を洗浄した液から、細胞を集め、顕微鏡でがん細胞を発見する方法で、胃がんの診断には直接的で、しかも決定的な検査方法です。

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 胃生検
 胃内視鏡で観察しながら胃がんらしい部位から胃粘膜の一部分を採取し、顕微鏡でがん細胞を証明する方法です。胃生検器械の改良により、胃内視鏡直視下生検が容易にできるようになったので、胃がんの確実な診断法として、胃細胞診と並んで用いられます。

 胃液検査
 胃がんの場合は、胃液の中の塩酸が減少して無酸となることが多いので、胃液検査をして、胃液が無酸であるかどうかを調べることが行われています。

 ふん便検査
 胃がんになると胃から少しずつ出血し、ふん便の潜血反応が陽性になるので、ふん便検査も古くからおこなわれています。

★ 治療
 胃がんの診断が確定したら、まず切除手術が可能であるかどうかを検討してもらい、出来るだけ胃切開手術を受けるべきです。現在ではいろいろな治療方法が試みられていますが、がんの出来ている胃の部分を切り取るのが、最も良い治療法です。

 手術療法
 従来は胃がんの手術といえば、胃の下半分、すなわち幽門側に できたがんの手術、いわゆる胃の部分切除術が行われていて、胃上部(噴門側)のがんの手術はあまり行われませんでした。しかし今日では手術法の発達と麻酔 法の進歩により、がんの発生場所による手術の制約はなくなり、広範囲の胃がんでも、胃全摘出で完全に除去できるようになりました。

 放射線と手術の併用
 胃がんが相当広がっている時には、超高圧X線深部治療や、放射性コバルト大量照射療法を行って、胃がんを縮小させてから、胃切除術を行う方法が用いられ ています。しかしこれらの放射線療法だけで胃がんを完全になおすことは、現在のところあまり望みがないようです。

 化学療法
 制ガン剤として、マイトマイシン、エンドキサン、トヨマイシンなどが用いられていますが、現在のところ、制ガン剤だけで胃がんを完全になおすことは極め て困難です。しかし、手術の場合に胃の静脈に制ガン剤を注入したり、手術をした腹腔内に制ガン剤を散布して、がん細胞の広がるのを防ぎ、再発を防止しよう とする試みが行われ、ある程度の効果が認められています。