扁桃炎

 扁桃炎には、急性扁桃炎と慢性扁桃炎とがあります。急性扁桃炎は、咽頭粘膜の炎症とともに、主として口蓋扁桃に強い急性の炎症が起こる病気です。

 慢性扁桃炎は、無症状に経過するものから、複雑な症状を示すものまでいろいろです。扁桃の大小だけで慢性炎症の有無は断定できませんが、高度の肥大は慢性炎症のあることが多いものです。

 また、はしか、しょうこう熱、ジフテリアなどでおこった急性扁桃炎は、慢性炎症になる傾向がありますし、むし歯や慢性副鼻腔炎も慢性扁桃炎の原因になります。

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 急性扁桃炎
 口蓋扁桃を中心に赤くはれ、痛みとともに熱が出るのが特徴です。

● 原因
 感染細菌のおもなものは、れんさ球菌、ブドウ球菌ですが、ウイルスの役割も大きいと考えられています。気温の変化や過労、風邪などが誘因となります。特に急性炎症を繰り返すのは、その前の徹夜の勉強やマージャンなどでの夜更かし、遠足や旅行、肉体的疲労が過度であることが多いのです。

● 症状
 症状は感染の程度によりいろいろです。はっきり扁桃に急性炎症を起こしていても、のどの痛みはなく発熱だけの場合もあります。また、耳痛で病院を訪れることもあります。

 年長の子供や大人の場合は、咽喉頭の乾燥感と増加する痛みを訴えるのがふつうです。さらに、寒き、震え、発熱(38~40度)、顔面紅潮、頭痛、腰痛、関節痛、筋肉痛などが起こり、呼吸が速くなり、舌苔が厚くつき、口蓋粘膜や口蓋垂が充血し、ときに浮腫を起こします。

 扁桃のくぼみ(陰窩)には、白色、黄色のうみがたまり(膿栓)が点状になってみられます。かなり激しい咽喉痛やえん下痛があらわれます。さらに進むと、頸部リンパ節にはれ(腫脹)が起こって痛みます。

 ふつう、5~10日で症状はなくなりますが、時には扁桃周囲炎、リンパ節化膿、腎炎、心筋炎、リウマチ、敗血症などを起こすこともありますから、注意しなければなりません。

 慢性扁桃炎
 急性扁桃炎を反復した結果起こるものです。ふつう、慢性扁桃炎からは、れんさ球菌やブドウ球菌が多く発見されます。

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● 症状
 局所的には軽度の急性炎症の症状をあらわします。咽頭の刺激感や口臭を訴えたり、また扁桃が大きいためにえん下障害を起こしたり、言語が不明瞭になったりすることもあります。

 咽頭痛、違和感、からせき、食欲不振、肩こり、動悸の訴え、頸部リンパ節腫脹などを起こすこともあります。慢性扁桃炎自体の症状は軽いのに、それが原因で、さまざまな合併症を起こすことがあります。

 すなわち、腎炎、心筋炎、心内膜炎、関節リュウマチ、関節炎、湿疹、気管支炎などが多くみられます。

 反復する結膜炎、脈絡膜炎などの目の病気が、扁桃炎摘出後良くなったという例もあります。

 慢性扁桃炎の診断には、既往症と経過が大切な資料となります。急性炎症を繰り返すという事実が診断の基礎となって、手術の適応が考えられるのです。しかし、扁桃が病巣かどうかを決めるには、扁桃内細菌の全身に及ぼす影響を調べるさまざまな検査が必要です。