白血病

 白血病とは、正常では骨髄の中にのみある幼若な白血球が、骨髄だけでなく、血液中でも、無制限に増え続ける病気で、血液のがんとも言われています。

 ● 血液の特徴
 通常、血液中の有形性分である白血球、赤血球、血小板は、胎児のうちは、肝臓、脾臓、骨盤およびリンパ節でつくられますが、生まれてからのちは、骨髄とリンパ節でつくられます。

 その数は、自律神経とホルモンの作用で調整されていて、細菌感染などが起こらない限り、血液中の白血球、赤血球、血小板の数と各種の比率は、一定の範囲になっています。

 しかし、白血病にかかると、まず、骨髄でがん化した病的な幼若白血球がどんどん作られ始めますが、やがて、肝臓や脾臓も胎児のときの状態に戻って、盛んにがん化した白血球の生産に協力するようになります。

 こうしてつくられた幼若白血球は血液の中に出てきます。そして、血液の中でも、どんどん分裂し、増え続けます。これらの白血球の機能はもちろん、正常なものではありませんが、形だけは、健康人の骨髄の中にみられる幼若な白血球(骨髄球、前骨髄球、骨髄芽球)と似ています。

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 いったん白血病になると、治療を加えない限り、白血球は増え続けます。ふつう、一立方ミリの血液中に6000~8000しか見られない白血球の数が、ときとすると100万以上に増加し、そのため、血液は白く見えます。白血病という病名はこのことに由来しています。このような状態になると、骨髄における正常の造血機能は、著しく障害されます。

 なお、白血病は、通常、骨髄あるいは、リンパ節の中の芽球という血球の中でいちばん幼若な細胞が増える急性型と、骨髄中のすべての段階の白血球が一定の比率で増える慢性型に大別されます。そして白血病は増える白血球の種類により骨髄性、リンパ性などに細分類されます。

 ● 原因
 他のがんと同じように、まだはっきりしたことは分かっていません。しかし、その原因の一つにウイルスが考えており、世界中の研究者がその発見に努めています。人白血病の中にウイルスを発見したという報告もありますが、その信頼性については、多くの疑問が残されています。

 ウイルスが原因の一つと考えられる根拠を要約すると、次のようになります。
 動物の白血病には、ウイルスが原因と考えられるものが多数認められます。
 アフリカにみられるバーキットリンパ腫と呼ばれる人の特殊なリンパ腫は、ある一定の地域に限定して発生しています。
 このバーキットリンパ腫や多数の人白血病患者の各種の材料から、ウイルス粒子が検出されており、しかも、そのあるものは、動物の白血病にその形態が似ています。
 白血病はある家系や、ある地域に多発することが知られています。
 人に感染するあるウイルス(アデノウイルスなど)を、動物に接触させるとがんが発生します。
 人および動物胎児組織の培養細胞にウイルスを感染させると、試験管内でがん化をきたします。
 以上な所見は、白血病の原因として、ウイルス感染を強く示唆します。しかし、すべての人白血病細胞からウイルスを分離し、さらにその培養、その病原性の証明となると、まだ確認がありません。

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 ● 症状
 急性白血病のおもな症状としては、発熱、貧血、出血傾向(皮下などの紫斑、口腔や歯肉からの出血、消化管からの出血など)があげられます。このような状態をそのまま、治療せずに放置しておくと、数週間から数カ月で死亡するのが普通です。
 
 慢性白血病の場合は、肝臓、脾臓の巨大なはれによる腹部圧迫感が主症状です。この症状は、治療されない限りなおらず、数年にわたって継続します。

 慢性型の骨髄性白血病の場合、末期になるとその50%以上が急に悪化して急性型(急性転化)になり、残りは悪液質(栄養状態の悪化)によって死亡します。
 
 慢性リンパ性白血病ではこのようなことは少なく、きわめて長く生存することができます。また急性型が慢性型になることは両者ともありません。

 最初の主症状が貧血だけで発病する急性白血病もあるので注意を要します。