肺気腫

 肺は種々の原因で、肺胞(肺の中で酸素と炭酸ガスの交換を行っているところ)に通じる細い気管支が狭くなったり、肺胞の収縮性が失われたりすることがあります。

 このため肺胞はふくらみっぱなしになり、ついにはその組織が破壊されて嚢胞(袋の状態)となり、呼吸の働きに障害が起こってきます。 このような病気を肺気腫といいます。

 50~60歳ごろから、老人性変化によって肺胞が弾力性を失い、気腫状にふくらむのを汎細葉性肺気腫といいます。

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 これに対して、比較的若い時代からみられるものを、小葉中心性肺気腫といいます。後者の方が多くみられますが、これはぜんそく、気管支炎、肺炎などを繰り返すうちに、肺気腫に進んでしまうものです。

● 原因
 肺気腫の原因はよく分かっていませんが、慢性気管支炎や呼吸器感染の繰り返し、慢性のぜんそくなどは、肺気腫の成因として大いに関係があります。特に注目されている自動車の排気ガスや大気汚染は、肺気腫と密接な関係があると考えられています。

● 症状と経過
 肺気腫の最も特徴的な症状は、腫々の程度の息切れと呼吸困難で、これにぜんそくを伴うことが多いものです。

 初期の症状
 毎年、冬になると2~3ヶ月もせきやたんが続く慢性気管支炎の症状から始まって、息切れを覚えるようになります。またはじめ息切れがあって、そのうちにせきやたんを伴う場合もありますし、息切れや呼吸困難だけで、ほとんどせきやたんを伴わない場合もあります。なかにはぜんそくとして治療されている場合もあります。

 症状の進み方
 息切れや呼吸困難の程度はしだいに強まり、特にかぜ、気管支炎、肺炎などの呼吸器感染によって急激に悪化します。食欲もなくなり、体重が減少してやせてきます。またくちびるやつめの先が紫色(チアノーゼ)になり、指が太鼓ばちのようにふくれたりします。

 息も強く吐けないようになります。正常な人なら、マッチに火をつけ、口から10㌢ほど離し、大きな口をあけて一息で吹き消すことができますが、肺気腫の人では、強く息を吐くことができないために、マッチの火を吹き消すことができません。

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 これをスナイダーのマッチ・テストといいます。この場合、口をすぼめて吹き消してはいけません。大きく口をあけたまま、一息で吹き消せるかどうか、試してみてください。

 呼吸器感染や睡眠薬の服用が原因となって、精神の錯乱や意識がもうろうとなり、昏睡におちいることがあります。この場合は、生命も危険で、直ちに治療を受ける必要があります。

 病気がしだいに進むと、顔や手足にむくみが生じたり、くびの太い静脈が浮いたようにはっきり見える心不全の症状(この場合は重症)もあらわれます。また、前胸部に締め付けられるような痛み(狭心症の状態)があることもあります。