鼻中隔湾曲症

 鼻中隔は、鼻腔を真ん中で二つの部屋に分けている扉のようなもので、軟骨と薄い骨からできています。この鼻中隔が曲がったり、片側に突き出したりしているために障害がおこり、症状があらわれるのを鼻中隔湾曲症といいます。

 鼻中隔湾曲症は動物にはなく、人間特有の病気だといわれます。人間では、他の動物に比べて脳が発達して重く、位置も前方にあるため、鼻中隔がこの重みに押されて曲がると考えられています。

 日本人の鼻中隔の湾曲の頻度は、軽度のものも入れて、成人では80~90%で、子供には少なくなっています。

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 一般に鼻の高い人に湾曲が多く、鼻筋が曲がっている人さえいます。多くは生まれつきのものですが、鼻を殴られたり、ぶつけたりなど、外傷によるものもあります。

 鼻中隔の湾曲は大変多いものですが、ほとんど軽度で障害がみられません。湾曲が高度になり、周りの粘膜が肥厚してくるとはじめて、症状があらわれます。

● 症状
 鼻中隔湾曲症では、曲がった側の鼻腔が狭いため、空気の通りが悪くなり、鼻づまりが起こるのが特徴です。

 高度の湾曲があってもふだんは鼻づまりがあらわれない人もありますが、いったん鼻腔に炎症が起きて粘膜がはれると、ふつうの人よりも早くに鼻づまりが起こります。

 また狭いところを空気が無理に通るため、あちこちに突き当り、炎症を起こしたり、鼻腔の粘膜が傷ついて出血しやすくなります。曲がっていない広い側の鼻腔にも空気がどっと押し寄せて、粘膜を刺激し、肥厚性鼻炎を起こすこともあります。

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 こうなると、鼻づまりがひどいので、鼻声になり、苦しく、特に下を向いてする仕事などにさしつかえてきます。時には頑固な頭痛の原因になることもあります。

 鼻中隔の湾曲がありると、蓄膿症(副鼻腔炎)がなおりにくく、またそれにかかりやすくなります。このため、軽い蓄膿症は、湾曲をなおすとよくなることもあります。

 湾曲の程度と症状は必ずしも一致しないし、鼻づまり、鼻出血、頭痛の原因は、湾曲症以外にもたくさんあるので、素人判断は誤りのもとです。