鼻炎

 鼻炎は、鼻腔の粘膜がいろいろな原因で炎症を起こした病気です。ふつう粘膜が充血して赤くはれ、そこが熱をもって熱くなり痛みます。鼻汁がたくさん出ることもあります。

 この病気は、年齢、性別に関係なく、だれでもかかるものです。いわゆるかぜ(感冒)と密接な関係があり、「鼻かぜ」とも言われています。

 空気の湿度や温度がたびたび急激に変動する季節の変わり目には、風邪をひきやすく、風邪をひくと鼻や咽喉の粘膜に炎症が起こって抵抗力が弱まります。そうするとすぐ細菌が感染して鼻炎になるのです。

 この場合、熱が出て全身がだるくなるのが風邪の全身症状と鼻炎の症状とがいっしょにあらわれるので、大変つらいわけです。もちろん、風邪以外の原因でも鼻炎は起こります。

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 鼻炎だけのときは鼻がぐずぐずするだけで済みます。

 鼻炎が急に起こるのを急性鼻炎、それを何回も繰り返し、しだいになおりにくくなって、症状が続いたままになるのを慢性鼻炎といいます。

● 急性鼻炎
 急性鼻炎は鼻かぜといわれるものです。ウイルスの感染によって抵抗力の弱くなった鼻の粘膜に「くしゃみ」などで細菌も感染して症状を悪化させ、そのために炎症が広がるものと考えられています。

 このように、急性鼻炎は、鼻粘膜の急性感染症ですから、ふだんから鼻粘膜を痛めつけたり、抵抗力を弱めるような環境(特に汚い空気)の中で生活する人々や、抵抗力の弱い子供などに多く起こりやすい病気です。

 症状
 鼻粘膜に炎症が起こると、たちまち鼻腔中に広がります。まず鼻の中がかわくような自覚症状が起こり、むずむずしてくしゃみを連発し、これとともに涙が流れ、せきが出てきます。そしてしだいに鼻づまりを感じてきて、大変不愉快です。

 こんな症状が数時間から1日ぐらい続いた後で、自然に多量の水鼻が出るようになります。水鼻は、時間とともに粘液性に、さらに粘液膿性の変わり、最後には完全なうみになって鼻の入り口にこびりつき、皮膚がただれてきます。

 鼻粘膜ははれて充血し、鼻をふさぐので鼻から呼吸ができにくく、もののにおいもわかりにくくなります。声は鼻づまり声になり、食べ物の味も変わります。

 ひどくなると粘膜のはれが耳管を通って中耳の粘膜へ、または副鼻腔の粘膜へも達して、それぞれ中耳炎や副鼻腔炎を起こします。咽頭炎から気管・気管支炎を起こすこともあります。

 なお、多くの場合、風邪に伴って起こるため、発熱、全身のだるさなど、風邪の症状が鼻炎の前駆症状としてあらわれます。

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● 慢性鼻炎
 急性鼻炎を繰り返しているうちに症状が続いたままになるのが慢性鼻炎です。虚弱な子、アレルギーのある子に多く、また肥大したアデノイドを放置しておいても起こりやすいものです。

 成人でも副鼻腔炎を放置したり、鼻中隔が曲がっていたりすると、鼻が詰まって通気が悪くなり、鼻汁の排泄ができにくいために発生します。またはほこりがひどかったり、ガスが発生するような工場でマスクもかけずに長時間働いている人もかかります。

 症状
 まず鼻が詰まります。これは、鼻粘膜が充血してはれるからです。鼻のつまり方は、軽かったり重かったり、片方の鼻だけだったり、両方だったりいろいろです。人が集まる部屋に入るとつまることもあります。

 充血した粘膜からは分泌液が増すため、鼻水が多量に出ますが、しだいに粘液性となり、細菌が感染すれば膿性になります。

 そのうちに鼻の中のはれで空気が嗅部にうまく達しななくなるため、においがわかりにくくなったり、鼻声になったりします。しかし、ふつう全身の障害はほとんどないので、病人らしく見えません。

 慢性鼻炎は、いつも両側の鼻粘膜に起こり、粘膜の抵抗力が弱まるために鼻かぜをひきやすくなります。これを繰り返しているうちに粘膜は繰り返す刺激でしだいにはれてきて肥厚性鼻炎が起こります。

 そうなると鼻呼吸が苦しくなって口で呼吸し、眠ると口を開いたまま大きないびきをかきます。

 鼻汁も粘液性のものが多量に出て、内部のはれのため鼻をかんでも全部は取りきれずに鼻腔内にたまり、そこへ細菌が感染して膿性になります。これが咽頭の方へ流れて、たんのように口から吐き出されます。

 こうなると頭痛感や頭痛がして、集中力が散漫になり、物忘れをしたりします。「鼻が悪いと頭が悪くなる」といわれるのはこのためです。実際には鼻は頭脳にそれほど影響を与えるわけではありません。

 予防
 粘膜の炎症を起こすような喫煙などはできるだけ控え、いつも新鮮な空気を吸い、からだを鍛錬して、風邪をひかないようにします。また鼻の中はいつも清潔にしておきましょう。

 急性鼻炎のうちに十分な治療を受けることが大切ですが、慢性鼻炎になったら、専門医に任せ、忍耐強く治療を受ける必要があります。